PHOTO STORY:熟年の職人が手掛ける工程「裁断」の現場を覗く。

Vol.1でご紹介した、24時間以上にも及ぶ"染色"が終わると(さらにその前の工程である紡績や編み立ては後々ご紹介します)、次の工程は"裁断"です。

裁断はそれ専用の機械で行うため、裁断場と呼ばれる工場(こうば)が東東京にはぽつぽつと残っています。染色と同じく、裁断場の職人たちも高齢のベテランばかり。この街のものづくりの歴史を身体に染み込ませています。

名だたるメゾンを支えてきた江戸の職人たちは、齢(よわい)70を超えても元気いっぱい。大きな声で冗談を言いながら、裁断作業を続けます。

しかしこの風景を眼前にして"ファッション"かと言われると、どうにも違和感しかありません。あくまでものづくりであり、手仕事であり、矜持と気品が織りなす仕事の結果として敬意を払いたいものです。